2008年04月30日

【書評】その数学が戦略を決める(イアン・エアーズ)

その数学が戦略を決めるその数学が戦略を決める
著者:イアン・エアーズ 山形 浩生

出版社:文藝春秋 2007-11-29
おすすめ平均


私の評価
 −面白さ
 −役立ち

 実はタイトルの「戦略」の文字を見てコンサル系の本だと勘違いして、購入した本。
 実際の内容は大量のデータを統計分析するデータマイニング(この本での呼称は絶対計算)のお話。先日レビューしたヤバイ経済学と若干内容が被ってるが、前者が人がどう反応するのかを明らかにすることに主眼が置かれているのに対し、この本はデータマイニングがいかにビジネスなどの意思決定に使われているかがメインテーマ。

 例えば、ワインの値段の予測。コンピューターは気象データなどからその年のビンテージがいくらぐらいになるか予想できる。これが驚いたことに、最高のワイン評論家ロバート・パーカーの予想さえうわまる成果を出している。
 他にも、amazonのオススメ機能やgoogleのadwordsが同様にデータマイニングをビジネスに応用して多大な利益を得ている。

 この本では、その様に実際に絶対計算がビジネスに使われている例を豊富に紹介している。以下、例を列挙してみた。
・メジャーリーグの選手スカウト(これを使ったアスレチックスの優勝が有名)
・出会い系サイト(絶対計算で相性ぴったりの人を紹介してくれる)
・ウォルマートの入社試験(質問によって、辞める確率が分かる)
・根拠に基づく医療(病状を入力すると、どの病気の可能性があるか教えてくれる)
・映画がこけるかどうか(脚本のみで、映画を撮る前からコケル確率が分かる)
などなど。

 この様な事例を多々見させられて、「専門家」という者の地位が実際に脅かされていることが実感できた。経験や知識といったデータの部分は人間の記憶容量よりも当然コンピューターの方が大きい。そして、意思決定の部分は統計分析を用いたコンピュータの方が正確性が高い。そう考えると医者や弁護士と言った専門知識に立脚した専門家は今後地位を低下させていくのだろう。(診断や判決の予測などではコンピューターを使う素人に負けるのだから)

 自分が今後キャリアを築いていく上で、そういった没落していく伝統的「専門家」にならず、人間にしか出来ない仮説立案、推測などに長けた人間になりたいと思った。

 意図せず読んだこの本であったが、思いがけずキャリアも考えさせられたし、統計をやってみようと言う意欲も生まれた。

 是非とも他の人にも読んで欲しい一冊である。


モチベーションの種です。よろしくお願いします。

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タグ:経営 書評
posted by ナオ at 02:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評
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