2008年05月18日

【書評】総外資時代キャリアパスの作り方(仲 俊二郎)

 (Kobunsha Paperbacks Business 6)総外資時代キャリアパスの作り方 (Kobunsha Paperbacks Business 6)
著者:仲 俊二郎
出版社:光文社 2007-06
おすすめ平均
私の評価
 −面白さ
 −役立ち

外資系化学会社ハーキュリーズの人事部長、日本支社長を歴任した筆者による外資系ガイド(ただし、米系)。

もはや日本の企業に勤めている者でも外資と無関係ではいられないとした上で、外資の人事制度、社内力学、文化などを紹介しています。

 全体的に外資万歳な雰囲気がぷんぷんしてくるが、人事畑出身と言うこともあってか外資の人事の特徴・社内力学の説明は多くの事例を含み大変参考になります。文化の方の記述は他の本でいくらでも読めますが、人事・社内文化の解説はこの本が今まで読んだ本で一番良かった気がします。

個人的になるほどと思ったのは、
外資系の給与は内部の評価だけでなく、外部の市場価値を参考に決められている点。
  ある程度流動性がある外資では、市場価値を無視してそれより低い給与しか払っていなかったらすぐさま人材に逃げれてしまうので、市場価値を参考にしているとのこと。
  具体的には、アパレルメーカーの物流担当アシスタントマネージャー(係長相当)で成績が上位10%に入っている人の市場価値が1200万だった時に、自社は900万しか払っていなかった場合転職されないように待遇を上げるなどするらしい。

 この制度は給与の透明性といった面でも良いが、働く立場からするとかなりフェアで信頼できる制度だと思う。ソースはどこだか忘れたが、年利20%強を達成し220億稼いだ日系のファンドマネージャーが年収700万ぐらいだったことを考えるとそういった点は米系の方が優れた制度とているのかなと思う。自分がこの立場だったら、絶対会社に搾取されていると思うし。
 (蛇足だが、ヘッジファンドの成功報酬は20%が相場だと言われている。仮にこの率をそのファンドマネージャーにあてはめると彼の年収の相場は44億となる笑)
 
 ただ、何点か残念な点もある。
 1は、米系・欧州系とがあまり区別されずに外資系でくくられてしまっていること。
 自分はインターンでかつ投資銀行とコンサルしか経験してないが、米系と欧州系でもかなり雰囲気・制度が違ったように思える。(もちろん、欧州の中でも英系とスイス系、ドイツ系も違う)
 もう1つは業界の区別があまりされず、それが普遍的に通用するかのように書かれていたこと。他の業界をあまり知らない身で言うのもなんだが、金融・コンサルとメーカーは違うんでないだろうか?投資銀行の中でもIBDかマーケットサイドかでかなり性格が変わってしまうのに、外資金融の例を多用して「外資」と言うくくりは一般化するには危険な気が…。
 さらに言えば、化学企業の社長だったはずの人が何で金融やコンサルの例を多く出すんだろう?もっと実体験に近い外資メーカーの話を読みたかった。

そう言った点に留意したた上で読むのであれば、外資ってどんなとこ?と言う入門書としてもお勧めできます外資系内定者が読んでも人事制度などは学びが多いと思われます。


モチベーションの種です。よろしくお願いします。

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タグ:書評 外資
posted by ナオ at 15:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評
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