2008年07月18日

【書評】東大生たちの「性」(東大生ライフスタイル研究会)

東大生たちの「性」東大生たちの「性」
編者:東大生ライフスタイル研究会
出版社:KKベストセラーズ 2008-02-16
おすすめ平均

私の評価
 −面白さ
 −役立ち


東大生100人への聞き込み・アンケート(主に東大女子対象)から東大生の性について
赤裸々に語ってみようというのがこの本。

タブロイド紙の様な軽い文体。限りなく信憑性が薄いデータ。ソースのはっきりしない噂。内部者なら一発でわかる間違い。
様々な要素から見て、紛うことのない、ネタ本です。

ですが、当然のことながら読んでいて面白い
役に立つものは何一切ありませんが、面白い。(私がこういう下ネタ系ネタ本が好きなせい&自分にとっては内輪ネタというのもあるかも知れませんが笑)

 内容に触れてみると、世間一般で言う「がり勉でメガネでださい東大生」(学内では俗にイカ東)を否定し、勉強も遊びもでき外見にも気を使っている要領の良い奴が多くの東大生の実像だとしている。(2極化していて依然イカ東はいる。)
 その上で、こいつらやることやってるぞと紹介している。

 具体的に面白かったトピックをピックアップしてみると
 ・東大に美人が多くなった正当な理由
 ・東大女子はどんなデートをしている?
 ・頭が良くないとヘンタイはできない?
 ・精液を顔にかけられることが多い東大女子

トピック自体も面白いが、この本全体を通して面白いのが、プライドの高すぎる発言とそれに対する揶揄。
皆さん匿名ということもあり、東大マンセー(=俺マンセー)な発言をムカつくぐらい論理的な文章で語ってます。それだけだと、ただの嫌な本なのですが、そう感じさせない感じに筆者の突っ込みが入っているのでそのやり取りを楽しく読めます。

ただ、本の基調からしても東大マンセー色がかなり強いです。東大を笑ってやるつもりぐらいの気持ちで読むことをお勧めします。
東大に強いコンプレックスをお持ちの方は避けることをお勧めします。
これを読んでいると、東大生が全て頭良くて顔がよくて金を持ってて将来成功間違いなし(ついでに性格は悪い)に思えてきます。自分も読んでて自信を失いかけました笑

ただ、冷静に考えてみると、そんな奴そうそう居ないって笑 



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2008年05月18日

【書評】総外資時代キャリアパスの作り方(仲 俊二郎)

 (Kobunsha Paperbacks Business 6)総外資時代キャリアパスの作り方 (Kobunsha Paperbacks Business 6)
著者:仲 俊二郎
出版社:光文社 2007-06
おすすめ平均
私の評価
 −面白さ
 −役立ち

外資系化学会社ハーキュリーズの人事部長、日本支社長を歴任した筆者による外資系ガイド(ただし、米系)。

もはや日本の企業に勤めている者でも外資と無関係ではいられないとした上で、外資の人事制度、社内力学、文化などを紹介しています。

 全体的に外資万歳な雰囲気がぷんぷんしてくるが、人事畑出身と言うこともあってか外資の人事の特徴・社内力学の説明は多くの事例を含み大変参考になります。文化の方の記述は他の本でいくらでも読めますが、人事・社内文化の解説はこの本が今まで読んだ本で一番良かった気がします。

個人的になるほどと思ったのは、
外資系の給与は内部の評価だけでなく、外部の市場価値を参考に決められている点。
  ある程度流動性がある外資では、市場価値を無視してそれより低い給与しか払っていなかったらすぐさま人材に逃げれてしまうので、市場価値を参考にしているとのこと。
  具体的には、アパレルメーカーの物流担当アシスタントマネージャー(係長相当)で成績が上位10%に入っている人の市場価値が1200万だった時に、自社は900万しか払っていなかった場合転職されないように待遇を上げるなどするらしい。

 この制度は給与の透明性といった面でも良いが、働く立場からするとかなりフェアで信頼できる制度だと思う。ソースはどこだか忘れたが、年利20%強を達成し220億稼いだ日系のファンドマネージャーが年収700万ぐらいだったことを考えるとそういった点は米系の方が優れた制度とているのかなと思う。自分がこの立場だったら、絶対会社に搾取されていると思うし。
 (蛇足だが、ヘッジファンドの成功報酬は20%が相場だと言われている。仮にこの率をそのファンドマネージャーにあてはめると彼の年収の相場は44億となる笑)
 
 ただ、何点か残念な点もある。
 1は、米系・欧州系とがあまり区別されずに外資系でくくられてしまっていること。
 自分はインターンでかつ投資銀行とコンサルしか経験してないが、米系と欧州系でもかなり雰囲気・制度が違ったように思える。(もちろん、欧州の中でも英系とスイス系、ドイツ系も違う)
 もう1つは業界の区別があまりされず、それが普遍的に通用するかのように書かれていたこと。他の業界をあまり知らない身で言うのもなんだが、金融・コンサルとメーカーは違うんでないだろうか?投資銀行の中でもIBDかマーケットサイドかでかなり性格が変わってしまうのに、外資金融の例を多用して「外資」と言うくくりは一般化するには危険な気が…。
 さらに言えば、化学企業の社長だったはずの人が何で金融やコンサルの例を多く出すんだろう?もっと実体験に近い外資メーカーの話を読みたかった。

そう言った点に留意したた上で読むのであれば、外資ってどんなとこ?と言う入門書としてもお勧めできます外資系内定者が読んでも人事制度などは学びが多いと思われます。



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2008年05月11日

【書評】ハーバードからの贈り物(デイジー・ウェイドマン)

ハーバードからの贈り物 (Harvard business school press)ハーバードからの贈り物 (Harvard business school press)
著者:デイジー・ウェイドマン 翻訳:幾島 幸子
出版社:ランダムハウス講談社 2004-09-15
おすすめ平均
私の評価
 −面白さ
 −役立ち

 

文句なしに人に薦めたい一冊。



 今まで経験した中学、高校、塾、予備校など、どんな学校でも「最後の授業」は単なるレクチャーではなかった。教師の人生観に根ざしたメッセージや卒業する者へのアドバイスが込められていたように思う。習った内容はとうに忘れているけど、雑談形式で語られたエピソードだけは鮮明に覚えている師も多い。

 この本はそんな最後の授業のHBS版を15編のエッセイにまとめたものである。(HBS=ハーバードビジネススクール)
 実際に企業のCEOであったなど実務経験者が多いHBSの教授が、ある意味将来を約束されているエリートに対して贈るメッセージだが、単なる処世術ではなく、一人の人間として如何に有意義な人生を贈るかという普遍的なものになっている。
 そしてこの本の良いところだが、エッセイの1本1本が短く完結しており大変読みやすい。 短いながらも、どのエッセイも思わず引き込まれてしまうほどエピソードが面白く感動的で、なにより教授自身の想いが込められている。

一つ自分がこの本の中で最も気に入った話を紹介したい。
_____________________________

平凡な田舎の家庭に育った極めて聡明なサラという女性がいた。

彼女は学習意欲があり、2年も飛び級した上に答辞を任される優等生であった。
学業だけでなく、彼女は家の手伝いで家畜の管理をし、餌の調達から実際の世話、
そして業者との交渉・帳簿付けまで自分でこなし家業を黒字にさせた。

違う境遇に生まれ、違う選択をしていたら職業的に大成功をしたに違いない女性である。

しかし、彼女が選んだ職業は清掃員である。
幼い子ども5人を抱え、夫に先立たれた彼女は自分の適性ややりたい仕事よりも
子どもと多くの時間を過ごせる職を選んだのだ。

実は、このサラという女性は教授の母親なのである。
教授は若い時、清掃員をする母親を恥ずかしく思っていたらしい。だが、今ではそう思っていたことを後悔し恥じているという。
「母親は身を粉にして働き、私のために膨大な犠牲を払ってくれた」と教授はと述べている。

「この話を聞いているMBA卒業生はサラとは違う道を歩むだろう。
 もし、会社でリストラをする立場になったら、サラの話を思い出してほしい。あなたの決断で人生を変えられた人々は単なる数字ではない。誰かのサラなのだ。」

________________________________________

文才がないので上手くまとめられたか分かりませんが、自分としてはかなり心を揺さぶられました。自分自身の親のこととも重ねましたし、自分が完全に従業員を単なる数字として見ていたことを反省しました。
(インターンなどの提案でも、簡単に首切りを主張してたし。。。コストシナジーとしては一番示しやすいってのもありますが。。)

そして、完全にミーハーですがHBSに行きたくなりました。



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2008年05月03日

【書評】外資の稼ぎ方(永野良祐)

外資の稼ぎ方 その儲けの仕組み、全部暴く!外資の稼ぎ方 その儲けの仕組み、全部暴く!
著者:永野 良佑
出版社:扶桑社 2007-10-10
おすすめ平均
私の評価
 −面白さ
 −役立ち

最近、外資外資ってやたら聞くけど、何やって儲けてるの?って言う疑問に実例を示しながら答える本です。

本書では以下の6つが害の儲ける仕組みだと、総論的に紹介しています。

「逆張り」:誰も買わないときに買い叩く
「思い切り」:取るなら、リスクは思いっきり取る
「ニッチ」:誰もしないことをする
「交渉力」:自分に有利な条件はとことん取る
「ルールを味方に」:規則や法律を調べ上げて、自分に有利なように使う
「世界標準」:視野を世界において、日本に世界標準のやり方で接する



その後、それが実際にどの様に使われているかを以下の校正で紹介し、解説しています
 1、外資が儲けた事例を紹介
 2、どういう仕組みで儲けたのか
 3、なぜ外資が儲けたのか(なぜ日系には出来なかったのか)
 といった流れで進んでいきます。
  
 例えば、日本のゴルフ場を外資が買い漁って、凄い利益を上げているらしい。
でも、ゴルフ場なんか買ってどうして儲かるんだ?バブルで最も失敗したビジネスの一つじゃないのか?
  →そもそもゴルフ場は一旦作ってしまえば、あまり維持費掛からない装置産業
   &バブル崩壊で一斉に売りに出ていて、二束三文で既成のゴルフ場が手に入る
  →ならば、二束三文でゴルフ場を買い漁って、まとめて経営すれば維持費を下げることも可能
  →で、やったのがゴールドマンサックスとローンスター。
 (本ではもっと細かく丁寧に解説しています。)

こんな感じで、
モルガンスタンレーのANAホテル買収や、ゴールドマンの三井住友出資、シティによる日興の買収などなどが紹介されています。

 
 ここで紹介している事例は大方優麗な案件で、またその解説に内部者でなければ分からないような情報が入っていることはありません。
 個人的なイメージとしては、日経新聞の外資関連記事に丁寧な解説と図表をつけたと言う例えが適切な気がします。

 だから、悪いと言うのではなく、そこがこの本の付加価値だと思っています。
 この本で取り上げられている例は、殆どすべて日経で大きく扱われている物ですが、金融などに詳しくないとその意味するところが理解しきれなかったと思います。
 モルスタのANAホテル買収の例を考えれば、世界的なホテルの料金水準の説明から入り、キャップレート、DCF法、ノンリーコースローンなどの概念を解説して、簡単に理解しやすくしています。日経でも解説を入れていましたが、やはり上記の概念分かっていないと理解しきれなかったと思います。そこを素人でも腑に落ちるところまで解説したのがこの本の良いところ。

 全体的には、単純に外資=ハゲタカと盲目的に批難するわけでも、外資最高!と言うように礼賛するわけでもなく、比較的中立的に書かれている印象を受けました。
 儲けた例を挙げただけでなく、シーガイアの再生やメリルリンチの山一買収の失敗、ウォルマートの誤算など外資が上手く言っていない例もきちんと挙げているのが好印象でした。
(個人的には、長銀の瑕疵担保条項に関するGSの責任とか、JALの株主総会直後の増資引受とか限りなくブラックに儲けた例も挙げた方がよかったのかなとは思います。)

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2008年04月30日

【書評】その数学が戦略を決める(イアン・エアーズ)

その数学が戦略を決めるその数学が戦略を決める
著者:イアン・エアーズ 山形 浩生

出版社:文藝春秋 2007-11-29
おすすめ平均


私の評価
 −面白さ
 −役立ち

 実はタイトルの「戦略」の文字を見てコンサル系の本だと勘違いして、購入した本。
 実際の内容は大量のデータを統計分析するデータマイニング(この本での呼称は絶対計算)のお話。先日レビューしたヤバイ経済学と若干内容が被ってるが、前者が人がどう反応するのかを明らかにすることに主眼が置かれているのに対し、この本はデータマイニングがいかにビジネスなどの意思決定に使われているかがメインテーマ。

 例えば、ワインの値段の予測。コンピューターは気象データなどからその年のビンテージがいくらぐらいになるか予想できる。これが驚いたことに、最高のワイン評論家ロバート・パーカーの予想さえうわまる成果を出している。
 他にも、amazonのオススメ機能やgoogleのadwordsが同様にデータマイニングをビジネスに応用して多大な利益を得ている。

 この本では、その様に実際に絶対計算がビジネスに使われている例を豊富に紹介している。以下、例を列挙してみた。
・メジャーリーグの選手スカウト(これを使ったアスレチックスの優勝が有名)
・出会い系サイト(絶対計算で相性ぴったりの人を紹介してくれる)
・ウォルマートの入社試験(質問によって、辞める確率が分かる)
・根拠に基づく医療(病状を入力すると、どの病気の可能性があるか教えてくれる)
・映画がこけるかどうか(脚本のみで、映画を撮る前からコケル確率が分かる)
などなど。

 この様な事例を多々見させられて、「専門家」という者の地位が実際に脅かされていることが実感できた。経験や知識といったデータの部分は人間の記憶容量よりも当然コンピューターの方が大きい。そして、意思決定の部分は統計分析を用いたコンピュータの方が正確性が高い。そう考えると医者や弁護士と言った専門知識に立脚した専門家は今後地位を低下させていくのだろう。(診断や判決の予測などではコンピューターを使う素人に負けるのだから)

 自分が今後キャリアを築いていく上で、そういった没落していく伝統的「専門家」にならず、人間にしか出来ない仮説立案、推測などに長けた人間になりたいと思った。

 意図せず読んだこの本であったが、思いがけずキャリアも考えさせられたし、統計をやってみようと言う意欲も生まれた。

 是非とも他の人にも読んで欲しい一冊である。


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2008年04月26日

【書評】ヤバイ経済学(スティーブン・Dレヴィット)

ヤバい経済学 [増補改訂版]ヤバい経済学 [増補改訂版]
著者:スティーヴン・D・レヴィット/スティーヴン・J・ダブナー 望月衛
出版社:東洋経済新報社 2007-04-27
おすすめ平均

私の評価
 −面白さ
 −役立ち


実は読んだのは結構前の本なのだが、その数学が戦略を決めるを読んで、読み返したくなったので再度読んだ。

この本のタイトルに「ヤバい」が付く本だが、別にとんでも本ではなく分析対象・分析方法ともに至極まっとうである。(着眼点は面白い)では、何が「ヤバい」のかと言うと、出てきてしまった結論が、一般的・道徳的見地からして「ヤバい」のだと思う。

具体例をあげると、アメリカの犯罪件数が減ったのは中絶が合法化されて、本来生まれてくるはずだった犯罪者予備軍が生まれなかったからといった内容。
 
 ちゃんと統計的分析を加えて出した結論なのだが、それ主張したら不味いよね。という内容。ましてや、中絶に関して宗教的関地からやたらうるさいアメリカで発表するのだから非難轟々である。
 そういった辺りがタイトルの「ヤバい」に込められているのだろう。

 他にも扱っている題材は、下にあるように通俗的で分かりやすく楽しいもの。(そして結論はヤバめ)
・銃とプール、危ないのはどっち?
・相撲の力士は八百長なんてしない?
・学校の先生はインチキなんてしない?
・ヤクの売人がママと住んでいるのはなぜ?
・出会い系サイトの自己紹介はウソ?
・ウィキペディアは信頼できる?

 
 この本の良いところは、通俗的で面白いテーマを扱い、経済学で用いるような正統的な統計分析(その数学が戦略を決めるでいうところの絶対計算)で分析し、社会通念を打破するような結論を出しているところ。
 本も共著者のジャーナリストが書いてあるので読みやすく、とても楽しい。学者が書いたら無理だろうなという出来だ。数式も数学も出てこないので、読みやすかった。

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posted by ナオ at 20:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2008年04月25日

【書評】MBA恋愛戦略(織田隼人)

「MBA」恋愛戦略―最強のマーケティング理論で説く彼女獲得のしくみと方法「MBA」恋愛戦略―最強のマーケティング理論で説く彼女獲得のしくみと方法
著者:織田 隼人
出版社:大和出版 2006-03
おすすめ平均

私の評価
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最高の経営学の入門書です。



胡散臭そうなタイトルの恋愛のノウハウ本ですが、その真価は立派な経営学の入門です。

 若者なら誰もが関心を持つであろう「彼女を獲得する方法」を、経営戦略・マーケティング理論を駆使して分析しています。
 例えば、出会いを求める場面では出会いの市場(合コン、サークル、習い事など)をセグメント分けし、自身の異性の嗜好を元に参入する市場を絞込み、そこに時間・資金を集中させるなど。
 
 個人的には、競争戦略の章が秀逸だと思っています。
 意中の女性に対して、アプローチする男性複数。その状況下でライバルとの立場を比較して、ポジションをリーダー、チャレンジャー、二ッチャー、フォロワーに分け、自身のポジションに合わせて取る戦略を選択する説明をしています。
 リーダーが一流大卒のインテリエリートならば、チャレンジャーは知性や収入で闘わず、スポーツマン・優しさで闘うなどなど。

 

中途半端に企業名を出されて、素人には実感の湧かない実例で説明されるより何倍も分かりやすいです。


 戦略立案や、マーケティング戦略に興味のある方、既に勉強はして知識としてはあるがどの様に活かせばいいのか分からない人、そんな人にオススメです。

注:恋愛ノウハウ本としての評価は分からないです。
  個人的には、恋愛の一番の障害って戦略の不在ではなく、実行力の欠如だと思ってるもので。
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2008年04月23日

【書評】とりかえばや物語(中村真一郎訳)

とりかえばや物語 (ちくま文庫)とりかえばや物語 (ちくま文庫)
訳者:中村 真一郎
出版社:筑摩書房 1992-01
おすすめ平均
私の評価
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古典でありながら、今でも十分通用する物語

とりかえばや物語は平安後期に作られた物語。

まず、設定が面白い。
内気で女性的な男の子、お転婆で男性的な女の子。
この二人がその性格が故に、
男の子は姫君として女の子は若君として育てられる。
要は男女が入れ替わっているのである。

えーと、一体どこの少女漫画ですか?

子供までならば冗談で済むが、彼らはそのまま成人してしまい、
若君(女)は朝廷勤めを始めるし、姫君(男)は後宮に入ってしまう。
ここでのトラブルを扱うだけなら少女漫画の範囲ですが、
物語の展開はこの後、レディースコミックの世界に入っていきます。どろどろしてきます。

これ以上書くと、物語という性質上ネタばれになってしまうので、自重しておきます。

 純粋に物語としても面白いし、人物描写は精細で感情移入もしやすく、現代小説として読んでも十分に読み応えのあるこの作品が800年以上前に書かれたと思うと驚きです。

 楽しめて、かつ教養も身に付くオススメの古典の一つです。
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2008年04月22日

【書評】外資系企業がほしがる脳ミソ(キラン・スリニヴァス)

外資系企業がほしがる脳ミソ―採用試験の定番!  問題解決力を試す60問外資系企業がほしがる脳ミソ―採用試験の定番! 問題解決力を試す60問
著者:キラン・スリニヴァス 辻谷 一美 外資系企業研究会
出版社:ダイヤモンド社 2007-09-14

おすすめ平均
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 マイクロソフトなどのIT企業、ゴールドマンサックスなどの投資銀行、マッキンゼーなどの戦略コンサンルティングファームが面接試験で出すと言われている一風変った問題を集めた問題集です。

 どういう問題かというと、
・マンホールは何で丸いの?
・冷蔵庫のドアが閉まっているときに中の電球が消えていることをどうしたら証明できる?
と言った知識で解けない問題を出して、俗に言う地頭を問う問題です。

結構、考えさせられるのでクイズ好きとか頭を使うのが好きな人はかなり楽しめると思いますw

ただ、誤解ないように言っとくと、
面接ででこんな問題まず出ません。

 海外では好まれて出されているようですが、外資系企業の日本支社の採用試験を受ける中ではまず出ないと言って良いと思います。
 私は少なくとも数十回外資系企業の面接受けましたが、こんなこと聞かれていません。
(ケース問題・フェルミ推定は出た)

 私の知っている範囲では、このような問題を過去に出したのはゴールドマンの戦略投資部とUBSのIBDのみです。
 従って、日本での外資就活にはほぼ役に立たない
と言っても良いと思います。
 こんな対策をするなら、もっと他にやることがあるはずです。


 クイズ本と思って頭を活性化させるために使うぐらいがちょうど良いかと。


 注意:2009年度の新卒採用の話です。転職などではもしかしたらあるのかもしれません。
posted by ナオ at 00:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2008年04月20日

【書評】サルになれなかった僕たち(旧題投資銀行残酷日記)(ジョン・ロルフ ピーター・トゥルーブ)

サルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのかサルになれなかった僕たち―なぜ外資系金融機関は高給取りなのか
著者:ジョン・ロルフ ピーター・トゥルーブ 三川 基好
出版社:主婦の友社 2007-04-01
おすすめ平均

私の評価
 −面白さ
 −役立ち(投資銀行志望の人)
 −役立ち(それ以外の人)
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旧題:ウォールストリート投資銀行残酷日記
原題:Monkey Business
恐らく旧題、原題の方が有名だと思われる。なぜ今更改題したのか良く分からない、、、

 本の内容は、MBAを出てアメリカの名門投資銀行DLJに2人の若者が入社し、そして辞めるまでを記録した体験記。
 理不尽な上司、どうでも良い書類訂正のために徹夜する毎日、バックオフィスであるはずのワープロ課、コピーセンターの影響力など、奴隷のようなアソシエイトの仕事状況が語られています。
 ただ、それを明るく馬鹿話のように書き上げているのがこの本の魅力の一つかと。

 外からは何をしているかよく分からず、高い給料や華やかな仕事の印象しかない投資銀行がどういうことをしているのか雰囲気を知るのには最適な本です。

 
 投資銀行志望の人には必読の書であったりもします。
 単に雰囲気を知るためだけでなく、社員さんとの会話の種になります。自分は面接などで、残酷日記読んだ?と実際聞かれたこともあります。

 社員さんの評価としては大げさすぎるという話と、あの程度じゃ済まないという意見の二通りがありました。
 なぜ評価が分かれるかというと、この本が米国のITバブルの一定期間のみを扱っているため。
 
 大げさすぎるという意見の方は、日本のオフィスは米国ほど大所帯でない分、下っ端も作業だけでなく頭脳労働を求められるので、日本では必ずしも当てはまらないと言ってました。

 一方、あの程度で済まないと言っていた方(MDクラス)はITバブル崩壊後も生き抜いていた方で、景気が悪くなって人切りをした後の方が、残った人間に仕事が集中しあれ以上に人間的生活が脅かされるとのたまっていました。(そして必ず浮き沈みがあるこの業界、お前にその覚悟はあるか?と聞かれたw)


 自分はインターン程度しかしてないので正確なところは分かりませんが、どちらにせよ投資銀行志望の方はこういう側面もあるのだということを知っとくためにも読んだ方がいいです。
 (面接では、泥臭い仕事だと認識しているけどそれでも頑張りたい!みたいな台詞がバンカーには刺さりました笑)
 
 それ以外であれば、そういう業界もあるんだねぇと笑いながら読むのがいい本です。
posted by ナオ at 15:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

【書評】文系人間のための金融工学の本(土方 薫)

文系人間のための金融工学の本―デリバティブ裏口入門 (日経ビジネス人文庫 ブルー ひ 6-1)文系人間のための金融工学の本―デリバティブ裏口入門 (日経ビジネス人文庫 ブルー ひ 6-1)
著者:土方 薫
出版社:日本経済新聞出版社 (日経ビジネス文庫)2007-03


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金融工学はやはり難しい

 理系の独壇場と思われている(事実そうに近いが)金融工学を文系にも分かり易しく紹介する入門書。
 事実、前半部分はぶりやかんぱち等の魚を例に挙げてスワップやオプションを説明するなど数学アレルギーがある人でも楽しみながら理解できるよう工夫されて書かれている。

 しかし、オプション価格理論(デリバティブの値付けの理論)の説明になると数式が大手を振って歩きはじめ、数学アレルギーを刺激してしまう。ブラックショールズの説明に数式を使うなという方が無理だろうが、√Δtとかδとかが一回説明されただけで、既知のものとされて以後当然の如く出てくるのは正直きつかった。

 解説自体はしっかりしていて、数式のみを追って説明するのではなく、その数式が何を表しているのかを順に説明してあって評価が高かっただけに、もう少し文系人間のために丁寧に書いて欲しかったと思う。

 とは言え、敷居の高いディバティブを一般人にも分かるように、まずその基本的な考え方から解説するという本書のコンセプトは素晴らしい。実践では使わないけれども金融工学の肝だけは理解しておきたい、そのように考える人に最適の本だろう。
posted by ナオ at 13:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評

2008年04月19日

【書評】「日本相場師列伝」(鍋島高明)

日本相場師列伝―栄光と挫折を分けた大勝負 (日経ビジネス人文庫)日本相場師列伝―栄光と挫折を分けた大勝負 (日経ビジネス人文庫)
著者:鍋島高明
出版社: 日本経済新聞社(日経ビジネス文庫) 2006-11
おすすめ平均

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日本の名だたる相場師を一人当たり4ページで紹介する本。
全部で70人強の相場師が取り上げられている。

相場師だけあって、取り上げられている人物は波乱万丈の人生を生きていて面白い。
一時期は飛ぶ鳥を落とす勢いの者が晩年さびしく過ごす事もあれば、相場で身を立ててそのまま大企業を作ってしまった人もいる。相場師=やくざな商売と思っていたが、成功した山師は大隈重信や渋沢栄一などの政財界の大物とも付き合いなど意外に社会にも認められていたようなのが驚きではあった。相場で儲けたお金を惜しげもなく公共投資や寄付などに費やす義侠心溢れる相場師が多かったからだろうか。

とは言え、4ページで相場師の人生を語るには短すぎるように思える。歴史に残る名勝負などはもっと詳細に描写してくれれば絶対に面白いのにと思ってしまった。良くも悪くも相場師について知る入門書のような位置づけだろうか。

この本を読んで興味を持った相場師や名勝負を他の本で詳しく当たる。
その様な使い方がいいのかもしれない。
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2008年04月18日

【書評】「ラブホテル進化論」(金益見)

ラブホテル進化論 (文春新書 620)ラブホテル進化論 (文春新書 620)
著者:金益見

出版社:文藝春秋(文春新書) 2008-02
売り上げランキング : 1037
おすすめ平均
私の評価:

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読み物としてはかなり面白い。

 若い女性がラブホテルを研究するが故の苦労話や、差別化を図りすぎて分けが分からなくなった機械式ベットの例、ラブホテル経営者の想いなど、どれをとってもこの本以外では読むことが難しいコンテンツだと思われる。

 読み進めるために感心したり、思わず声をあげて笑ってしまったり、楽しむ、雑学をつける意味では満点をあげても良い本である。ただ、学者の卵がまじめにラブホテルを研究した結果を簡単にまとめた本だと認識すると、かなりお粗末な点が見えてくる。

 ◆1,視点がラブホテル関係者に寄り過ぎ
 本が経営者・設計者などの業界関係者のインタビューに殆どよっていること。消費者の視点や、潜在的競合(シティホテル、カラオケ、漫画喫茶)の観点が少なすぎる

 ◆2,意見と事実を区別しきれていない印象
 誰かのインタビュー「〜が多い印象です」とあると検証せず、それを事実としてそのまま受け入れて論を進める箇所が多かった様にに思える。
 例えば、関西のラブホ経営者に石川県出身者が多いと言う話。加能会という業界団体?の方のインタビューを聞いて、石川県出身者が多いとし、ラブホ経営は在日の方がやっているわけではないとしている。
 ただ、インタビューだけでそうだと断言できるの?多いって全体の何割?かつ、関西で仮にそうだとしても日本全国でそうだと一般化していいのか?などと疑問がふつふつと沸いてくる。
 
 ◆3,そもそもこの本のテーマが良くわからない。
 これは自分の読解力が無いだけかもしれないが、結局この本で何を言いたかったのか正直分からない。
 これが候補として挙げられるが、
 (1)ラブホテルは日本の文化
 (2)ラブホテルの発展の歴史
 (3)ラブホテルへの偏見の打破
 
  (1)に関しては随所にその主張があるものの、結局日本のラブホと海外の類似施設と何が違うのか述べられていないし、本の内容が日本の事例紹介に偏りすぎていて比較文化的な要素が無さ過ぎである。
  (2)この要素は確実にあるのだが、各章に散りばめられており上手  くまとまっていない。これやるにはせめて時系列に整理して欲しかった。
  (3)中途半端。これをやるならちゃんと誰もが納得できるようなデータを示すべきかと。統計などはほとんどなく、あっても母数が50程度で地域も集める媒介も偏りすぎているアンケートのみ。インタビューだけでは、そりゃ関係者は自分に悪いことは言わないよね、で終わってしまうと思うのだが。
________________________________________________

結論:読み物としては大変面白いが、学問としては微妙。
________________________________________________

ちなみに、この本での一番の収穫は
回転ベッドの正式な使い方が分かったこと。
それまで、なんでベッドが回って楽しいの?と思っていたので。
   著者のこれからに期待。
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2008年04月16日

【書評】「私はこうして受付からCEOになった」(カーリー・フィオリーナ)

私はこうして受付からCEOになった私はこうして受付からCEOになった
著者:カーリー・フィオリーナ (元HP CEO)

出版社: ダイヤモンド社
私の評価:★★★★


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かなりタイトルで損をしている本。
タイトルで連想する様な、一般の女性が努力と才覚で伸し上がるサクセスストーリーでも、こうすればあなたも成功する!というノウハウ本でもない。

本の実際の内容はアメリカ代表する巨大企業ヒューレッド・パッカードの元CEOのカーリー・フィオリーナ回顧録。回顧録にありがちな自慢や自己の弁護は少なく、困難に直面したときの苦悩など内面の部分もしっかり描かれており共感しやすかった。

彼女は原題の『Tough Choices』の示すとおり、要所要所で困難な選択肢を選んでおり、ともすればゴールへの最も楽で短い道を常に選ぼうとしてしまう自分には耳の痛い話でもある。

その他にも彼女の仕事観やリーダーシップ論には学ぶ点も多く、さすが15万人の社員を率いただけはあると感心させれっぱなしであった。

惜しむべきは、後半の自らの更迭の部分に関して、まだ整理が付ききっていないのか明らかに感情的に書かれており、自己弁護的な側面が強かった。この部分でも他と同様に冷静な記述が出来ていれば、更に良かったのにと残念でならない。
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個人的に気になった一説:
「人生なんて、どのみち公平ではないのだ。私は現実を受け入れ、そのことではもう悩まない、傷付けられない、と決めた。出来ることをやるしかない。自分が正しいと思うことに全力を尽くすだけだ。」

良く言われることかも知れないが、女性が故に多大な苦労をした彼女が言うと、その重みが違ってくる。彼女が負ったハンデ(あえてハンデと言うが)に比べたら、小さな障害を理由に〜が出来ないとか不利だとか腐っている自分が恥ずかしくなった。
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posted by ナオ at 00:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 書評